スタッフブログ

福島 智朗 - Tomoaki Fukushima

WRC第13戦 ラリー・オーストラリア

[2018/11/22]

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福島 智朗 - Tomoaki Fukushima
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シトロエンについて
シトロエン三重四日市の 福島 です。

11/15(木)~18(日)の日程で開催されたWRCシーズン最終戦『ラリー・オーストラリア』をレポートいたします。

シーズン唯一のアジア太平洋地区イベントであり、かつてはオーストラリア西部のパースを中心に行われていた。
しかし2009年より拠点が東部に移り、現在はニューサウスウェールズ州北東部のコフスハーバーを中心に開催
されている。
サービスパークが置かれるコフスハーバーは、東海岸の大都市シドニーとブリスベンのちょうど中間ぐらいに
ある風光明媚な観光都市である。

ラリー・オーストラリアのSS(スペシャルステージ)は、その大部分がグラベル(未舗装路)で、ツイスティな
中低速コーナーとハイスピードコーナーが混在する、多種多様なコース設定が特徴である。
シトロエン・レーシングからは2台の C3WRC で参戦。

マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン 組
クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン 組

11/15(木)初日のシェイクダウンでは、C.ブリーン組が5位、M.オストベルグ組が11位。

15日夜から雨が降ったものの、走行開始前には降り止みドライコンディションで初日の競技はスタート。

1日目(SS1~SS8)
1位 M.オストベルグ組
2位 C.ブリーン組

グラベル(未舗装路)ラリーでは出走順の早い車は、滑りやすい路面でコースの砂利の“掃除役”を強いられる
ため、なかなかタイムが上がりにくい。

初日の出走順は、総合ランキング上位の車が先に出走するため、上位陣のタイムが上がらない中、シトロエンの
2台のC3WRCは、SS3この日最長ステージで M.オストベルグがトップタイム、C.ブリーンも2番手のタイム
を出し上位にジャンプアップ。
SS3の折り返しとなるSS6でも2台は M.オストベルグが1位、C.ブリーンが2位のタイムで、この日を2台が
ワン・ツー で終えることができた。

2日目(SS9~SS18)
4位 M.オストベルグ組
10位 C.ブリーン組

この日は2台ともになかなかタイムを出せず苦戦。
C.ブリーンは、SS12 でコース左の木に左リアをヒットしてスピンを喫し大きくタイムロス。
これで総合でも大きく順位を落としてしまう。

最終日(SS19~SS24)
3位 M.オストベルグ組
7位 C.ブリーン組

最終日、前日夜に降った雨の影響で滑りやすいコンディションのなかで争われた。
M.オストベルグにとっては、まだ表彰台を狙えるポジション。
SS20では3番手タイムで上位陣にプレッシャーを与える。
そんな中総合2位に着けていたトヨタのO.タナクが、SS23でコースアウトで木にヒット。
コースに復帰するもSS23を走りきれずまさかのリタイア。
これによりM.オストベルグは総合3位に浮上。
このSS23とSS24でも3番手タイムを出し順位を守った。

雨で滑りやすい路面のため、最終日終盤はリタイアが続出。
総合8位のT.ヌービル(ヒュンダイ)がSS22でリタイア、総合9位のT.スンニネン(フォード)がSS24でリタイア
したことで、C.ブリーンは最終7位で終えた。
M.オストベルグ組にとっては、第8戦 ラリー・フィンランドでの2位以来の表彰台。

チームにとっては、前戦 ラリー・スペインでの S.ローブ組 優勝に続き、2戦連続の表彰台獲得という
良い結果でシーズンを締め括ることができました。

2018年シーズンの最終結果

ドライバーチャンピオンシップ
1. S.オジェ(フォード・フィエスタ)
2. T.ヌービル(ヒュンダイ・i20クーペ)
3. O.タナク(トヨタ・ヤリス)
4. J.M.ラトバラ(トヨタ・ヤリス)
5. E.ラッピ(トヨタ・ヤリス)
6. A.ミケルセン(ヒュンダイ・i20クーペ)
7. E.エバンス(フォード・フィエスタ)
8. H.パッドン(ヒュンダイ・i20クーペ)
9. D.ソルド(ヒュンダイ・i20クーペ)
10. M.オストベルグ(シトロエン・C3)
11. C.ブリーン(シトロエン・C3)

マニュファクチャラーチャンピオンシップ

1. トヨタ・ガズー・レーシング
2. ヒュンダイ・シェル・モービル
3. Mスポーツ・フォード
4. シトロエン・トタル・アブダビ

シトロエンにとっては表彰台獲得のラリーもありながら、マニュファクチャラーランキングでは4チーム中最下位
という不甲斐ないシーズンだったと言えるでしょう。

来シーズンのドライバーラインナップとして、今シーズン含め6年連続のチャンピオン獲得を決めた現役ドライバー
では最強の呼び声高いS.オジェ。
今シーズンランキング5位の若手成長株 E.ラッピ の2人の強いドライバーの加入が決定しています。

今シーズン終盤の戦いで、C3WRC のポテンシャルが高いことは十分証明していますので、来シーズンの
戦いが今から楽しみですね。

2019シーズンの開幕戦 『ラリー・モンテカルロ』は、2019年1/24(木)~27(日)の日程で開催されます。

福島 智朗 - Tomoaki Fukushima

WRC 移籍情報 第二弾

[2018/11/05]

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C3WRCでWRCに参戦する『シトロエン・トタル・アブダビ』チーム
に来シーズン、現役最強ドライバーのペアである

セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組

が加入することは、10/6の私のブログでお知らせしました。


更に若手の有望選手が加入することが10/17に発表されました。

エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組

2人は共にフィンランド人。

フィンランドは、モータースポーツで活躍するドライバーをこれまで多く
輩出している国。
F1ではケケ・ロズベルグ、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネン、
ニコ・ロブベルグなど。
WRCでもアリ・バタネン、ユハ・カンクネン、トミ・マキネン、
マーカス・グロンホルムなど。

こうして名前を挙げると、ワールドチャンピオンの獲得経験がある方
ばかりですね。

こうしたことから、モータースポーツ界では活躍するフィンランド人
ドライバーのことを称える意味で、『フライングフィン』という愛称で
呼んでいます。
(E・ラッピが着ているTシャツの胸にも『I'M A FLYING FIN』と入って
いますね)

さてドライバーのE・ラッピは、2017年シーズンの第6戦ポルトガルに
トヨタから参戦してWRCデビューを果たした若手ドライバー。
デビューから3戦後の第9戦フィンランドではWRC初優勝を遂げ、才能の
片鱗を見せました。

2018年もトヨタからWRCに継続参戦しており、第11戦を終えた時点で
3度の表彰台を獲得して現在ドライバーズランキング4位につけています。

このコンビが来シーズン、『シトロエン・トタル・アブダビ』チームに
加わることで、来シーズンのC3WRCの活躍に期待がかかりますね。

福島 智朗 - Tomoaki Fukushima

WRC第12戦 ラリー・スペイン

[2018/11/01]

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10/25(木)~28(日)の日程で開催された『ラリー・スペイン』をレポート
いたします。

ラリー・スペインは、スペイン北東部のカタルーニャ州が戦いの舞台。
その源流となるラリー・カタルーニャは1957年に初めて開催され、1991年より
WRCのカレンダーに加わった。
スペインはシーズン唯一の「ミックス・サーフェス・ラリー」であり、グラベル
(未舗装路)と、ターマック(舗装路)の両路面でSS(スペシャルステージ)
が実施されるのが最大の特徴である。
他のラリーでもグラベルSSの途中でターマックを走行することはあるが、
スペインの場合は序盤がグラベル(一部ターマック)、以降はフルターマック
と分かれており、それに伴いタイヤや足まわりなどの装着部品が変更される。
また、ドライバーは運転の感覚をグラベルからターマックに素早く切り替え
なくてはならない。

ラリーのサービスパークは地中海沿岸の町サロウに置かれ、サロウの西側から
東側にかけての広い範囲でSSが行われる。
シトロエン・レーシングからは3台のC3 WRCで参戦。

マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン 組
に代わり、今期のスポット参戦3戦目の
セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ 組 がエントリー。

更に
クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン 組
ハリ-アル・カシミ/クリス・パターソン 組  の2台をエントリー。

初日のシェイクダウンではS.ローブ組が4位、C.ブリーン組が7位で上位の
タイムを出す。K.アルカシミ組は27位。

続いて行われたSS1

9位 C.ブリーン組
27位 S.ローブ組
34位 K.アルカシミ組

シェイクダウンでは好調だったS.ローブ組だが、SS1ではヘアピンでエンジン
ストールをしてしまいタイムロス。

2日目(SS2~SS7)

4位 S.ローブ組
8位 C.ブリーン組
23位 K.アルカシミ組

S.ローブ組は、SS4で3番手タイムを出すなど順調に順位を上げてきた。
C.ブリーン組も、SS5 SS6で3番手タイムを出し順位を5位まで上げてきた
が、SS7では派手にスピンを喫しリアウィングを破損。8位に順位を下げる。

3日目(SS8~SS14)
前日までのグラベル(未舗装路)コースから一変、今日・明日はターマック
(舗装路)コースに。

3位 S.ローブ組
9位 C.ブリーン組
19位 K.アルカシミ組

S.ローブ組は、序盤路面の濡れたターマックコースに慣れるのに苦労したが、
SS12でトップタイム、他も大きなミスなく終え総合3位にランクアップ。
C.ブリーン組はターマックを得意としているが、思うようにタイムが出ず、
2回のスピンでタイムをロスし9位に順位を下げる。
S.ローブ組はトップも狙えるタイム差で迎えた最終日。
9年連続王者の勝負強さが、まだまだ錆びついていないことを証明して見せた。
SS15、SS16の2本のSSで圧巻のトップタイムを叩き出し、総合トップに浮上。

最終のSS18を迎える時点でトップを争うのは、来シーズン シトロエン・
レーシングに移籍が決定しているフォード・フィエスタのS.オジェ組。

先の出走となったS.オジェ組は、SS18トップタイムのO.タナク組(トヨタ・
ヤリス)に2秒差の好タイムで終える。
続くS.ローブ組もミスなく安定した走りを披露。
トップのO.タナク組とは2.8秒差、S.オジェ組とは0.7秒差、総合ではわずか
2.9秒の僅差でS.オジェ組を抑え優勝を果たした。

4日目(SS15~SS18)

1位 S.ローブ組
9位 C.ブリーン組
21位 K.アルカシミ組

S.ローブ組はこの優勝で、2013年のラリー・アルゼンチン以来となるWRC
通算79勝目を挙げました。

チームにとっても、昨年のラリー・スペインでK.ミーク組が優勝して以来
の久々の勝利。
マシンも十分な戦闘力を持っていることを証明して見せましたね。

次は今シーズンの最終戦『ラリー・オーストラリア』
11/15(木)~18(日)の日程で開催されます。

福島 智朗 - Tomoaki Fukushima

WRC第11戦 ラリー・グレートブリテン

[2018/10/20]

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福島 智朗 - Tomoaki Fukushima
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シトロエン三重四日市の 福島 です。

10/4(木)~7(日)の日程で開催された『ラリー・グレートブリテン』
をレポートいたします。


ラリー・グレートブリテンは、初開催が1932年と、非常に長い歴史を誇る。
かつてはイングランド、ウェールズ、スコットランドと非常に広いエリアで
SSが行なわれていたが、近年はウェールズが舞台となっている。

ラリーのサービスパークは、イングランドに近いウェールズ北東部ディー
サイド置かれ、2018年はウェールズの中部と北部を中心にSSが行われる。
SSはその大部分がグラベル(未舗装路)であり、全体的にハイスピードな
セクションが多い。
また、秋から冬にかけては天気が安定せず、雨や雹(ヒョウ)が降ること
も多い。
雨が降るとグラベルはぬかるんで滑りやすくなり、一気に難易度が増す。
シトロエン・レーシングは、この『ラリー・グレートブリテン』に2台
のC3WRCで参戦。

クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン 組
マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン 組

初日、練習走行のシェイクダウンではC.ブリーンが5位、M.オストベルグが7位と
上位のタイムをマーク。

その後のSS1

10位 C.ブリーン組
12位 M.オストベルグ組

2台共にシェイクダウンの順位よりも下げてしまった。

2日目(SS2~SS9)

6位 C.ブリーン組
8位 M.オストベルグ組

M.オストベルグ組がSS2で3番手タイム、C.ブリーン組はSS6で3番手タイム。
2台共この日をノーミスで走りきり、順位を上げた。

3日目(SS10~SS18)

4位 C.ブリーン組
5位 M.オストベルグ組

M.オストベルグ組がSS11でトップタイム、C.ブリーン組もSS15 SS18で
2番手タイム。
この日も2台共大きなミスなく上位で走りきり、表彰台を狙えるポジション
まで順位を上げてきた。

4日目(SS19~SS23)

4位 C.ブリーン組
8位 M.オストベルグ組

C.ブリーンは表彰台を目指しプッシュしたが、思うようにタイムを出せず
苦戦するも、なんとか4位のポジションをキープ。
M.オストベルグ組もSS23で3番手タイムを出すも、それ以外のステージで
タイムを出せず8位まで落としてしまった。


惜しくもC.ブリーンは表彰台に届きませんでしたが、2台ともステージタイム
で上位タイムを出す好走を見せました。

ドライバーチャンピオンシップでは

9位 C.ブリーン組
12位 M.オストベルグ組

マニュファクチャラーチャンピオンシップでは

1位 トヨタ・ガズー・レーシング
2位 ヒュンダイ・シェル・モービル
3位 Mスポーツ・フォード
4位 シトロエン・トタル・アブダビ

という状況で3チームが僅差で争っているが、大きく点差を空けられてし
まっている。

今シーズンもあと2戦。
ドライバーとしては一つでもランキングを上げ、またチームとしては、
来シーズンに向けた開発のためにも、ラリーを完走し多くのデータを得て
シーズンを終えたいですね。

次戦は『ラリー・スペイン』
10/25(木)~28(日)の日程で開催されます。

福島 智朗 - Tomoaki Fukushima

WRC 移籍情報

[2018/10/06]

スタッフ:
福島 智朗 - Tomoaki Fukushima
カテゴリー:
シトロエンについて
シトロエン三重四日市の 福島 です。


WRCに C3WRCで参戦する『シトロエン・トタル・アブダビ』チーム
に、現役最強ペアの加入が発表されました。

セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシア組

このドライバー/コ・ドライバーのペアは、Mスポーツ・フォードでフォード
フィエスタWRCを駆り、2017年ドライバーチャンピオンを獲得。
今シーズンも第10戦終了時点で、ドライバーランキングトップに立つ現役最強
のペアです。


S.オジェ組は、2008年から『シトロエン・レーシング』のジュニアチーム
に所属し、ジュニアWRCに参戦。
WRCにもスポットで参戦しWRCでのキャリアをスタートしました。
2010年にはワークスチームに昇格、グラベルイベント限定でスポット参戦
するようになる。
2011年はワークスチームからフル参戦。
シーズン5勝を上げる活躍を見せたが、当時絶対王者であったS.ローブが
同チームに在籍しており、チーム内でのNO.1ドライバーの待遇を巡って
関係性が悪化。
S.ローブがチームと契約を2年延長で交わしたため、チーム離脱を決断した
と言われている。

その後は、2013年からWRC参戦を表明していた『フォルクスワーゲン・レーシング』
と契約。
2012年はポロR のマシン開発に携わりながら、フォルクスワーゲングループ
の シュコダ というメーカーの ファビア というマシンでWRCに参戦。
ワークスのWRカーよりもパワーで劣るマシンながら、ランキング10位で
シーズンを終えた。

そして迎えた2013年。
フォルクスワーゲン・レーシングのWRCデビューイヤーで、いきなり13戦中
9勝を上げ、初のドライバーチャンピオンを獲得。
その後2016年まで4年連続でドライバーチャンピオンを獲得。
2013年限りで引退したS.ローブが不在となったWRCで、その後の絶対王者
として地位を確立した。

フォルクスワーゲンは、排ガスのデータ不正問題で多額の賠償を負うこと
となり、レース活動などを大幅に縮小、自粛せざるをえなくなった。
これによりWRCからも2016年をもって撤退することとなった。

この事態を受け、翌2017年シーズンのシートを求め複数チームと交渉。
『シトロエン・レーシング』とも交渉したようですが、結果Mスポーツ・
フォードへの移籍を決断。

移籍初年度で慣れないフォード フィエスタをなんとか手なずけ、5連覇
を成し遂げている。

S.ローブが、シトロエンの後ろ盾を得てWRC前人未踏の9連覇を達成したのと
比較し、S.オジェは周りの様々な要因に振り回され困難な状況に陥りながら
も、その逆境を撥ね退けての5連覇達成ということで、違った意味での強さ
を持ったドライバーだと言えるのではないでしょうか。


このペアが来シーズン、シトロエン C3WRC で勝ちまくる姿を早く
見たいですね。